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物欲☆あんず雨

物欲☆あんず雨

慶長地獄節

風神の門」第17話・ネタバレ有り日記(2005.6.23)

[慶長地獄節]
影法師の正体が才蔵では…と睨む獅子王院、客として相州屋の座敷へ。才蔵に獅子来訪を伝えるお国。
店の内情をしつこく尋ねたり、店主に会わせろなどと言う獅子王院に、遊女のプライドを傷つけられた桂木がマジギレ。ちょうど番頭の隼が返答に窮しかけていたところだったので、いい助け舟に。(桂木、わざと怒ったのだとしたら、さすが!)騒ぎを聞きつけ襖を開けた梅が枝と顔を併せてしまい、あわてて逃げる獅子。
桂木&梅が枝の連携撃退、ナイス!

佐助に、しばらく相州屋や分銅屋には出入りしないと言う才蔵。二人話す京の街角、徳川の旗を奪って傍若無人に暴れている4人組のかぶき者が…。

影法師の歌を謡う青子。(節回しはオリジナル??)歌詞が途中までしかわからず、お付きの主馬に影法師の短冊を手に入れて来るようねだります。
徳川方の陣屋では、兵になりすました佐助が「憂しや、憂し…」と厭戦気分を盛り上げております。

ねぐらを探す才蔵は、見せ物小屋での用心棒の仕事に就こうとします。そこには既に用心棒として、先だって目撃したかぶき者4人組が。しかし、4人が手こずった侍らを一瞬で撃退した才蔵、鮮やかな身のこなしが認められます。(用心棒より軽業を…とスカウトされてみたり)
才蔵が帰らない分銅屋、獅子の配下に見張られています。そしてまた、お金を巡る耳次と菊千代の軋轢が…。

青子に才蔵の居所を尋ねる(のを名目に、青子に会いたくて参上の)獅子王院。青子、手に入れた影法師の短冊を得意げに見せ、獅子に歌を読んで聞かせます。
「恋うるも憂し…」好いた人がいるのに、思うままにならぬ無常…。しみじみとその言葉を噛みしめている獅子王院に、突然「人を好いたことはあるか?」と青子。ボ~ッとしながら「はい…」と答え、慌てて「いえ!…いえ…」と狼狽し、青子をちらっと見てから「はい…」と小さな声で答える獅子王院。(例によって、何回も巻き戻して観てしまいました~~♪)
「(恋が)思うままにならぬとは、どういうことであろうか…、獅子どの…」と、あくまで無邪気に尋ねる青子。(『どうもこうも、今の私の気持ちです!』とは、到底言えない可哀想な獅子…)

さて、夜はケチな盗みもやっているかぶき者4人組、影法師の人斬りを目撃し、憧れを抱きます。
その帰途、他のかぶき者連中と行き会い喧嘩となり(不良グループの抗争!)、洛中警護の侍に捕らえられそうになります。逃げ遅れた4人組の中の一人を、(影法師の仕事を終えたばかりの)才蔵が助けたことから4人との交流が。(こういうイキがった若い連中相手だと、『落ち着いた大人』に見える才蔵さま…)

佐助が、ニセ影法師を発見。実は、例の4人組、あれから影法師の真似事をして悦に入っているよう。
4人の前に獅子王院登場。金をやるので、ニセ影法師としてもっと暴れろとそそのかします。単純な4人、獅子の指示通りに、まず相州屋へ行って大暴れ、店主を出すように言います。(店主の正体を確かめるため)
あらわれた隠岐殿の気高い美しさに息をのむ4人。ボ~~ッとしながら出て来る4人に首尾を尋ねるも、無駄に終わる獅子王院。(まぁでも、隠岐殿だという事は判ったのでござりましょうな)

建築中の真田丸で、佐助からニセ影法師の報告を受け、成り行きを案じる幸村。一連の会話を盗み聞きしていたらしい鳥居家の間者を捕らえる佐助。(以前から、工事を遅らせる工作をされていました)

先日の騒ぎを謝りに相州屋へ来た4人組。隠岐殿ファンクラブ状態です。
4人の話から、騒ぐよう頼んだのが獅子王院だと察したお国、才蔵に知らせに行きます。(4人が口々に言う獅子の人相、『気味悪いくらい顔が白い』『目ん玉ギョロギョロ』がケッサクです)
お国が伝える風体から4人が獅子に操られていると悟った才蔵、4人に獅子の危険さを説きますが、真剣に聞き入れてもらえません。(一同がいる河原の向こう、土砂崩れ防止のコンクリで固められた山肌が…)
ニセ影法師は相変わらず、物盗りなどで京洛を騒がせます。

隠岐殿は才蔵に、獅子を操る俊岳を斬るよう依頼します。
お国、苦悩。才蔵に決行の日にちを聞き出そうとするものの果たせず、とりあえずは俊岳の元へ警告に。
名古屋城で斬り付けたことを詫びるお国に、次は手加減するなとまで言う俊岳。そう言いつつも無理はさせたくないから…と、しばらくは黒屋敷に近付かぬよう指示してお国を帰します。
床下で一連の会話を聞いていた獅子王院には、相州屋をつぶせと命令。才蔵を迎え撃つよりは、先手を打って隠岐殿側を叩く算段です。(さすが、俊岳さまvvv)

そうとは知らない佐助は、入道と出会い、隠岐殿の居る相州屋では羽目は外せないから…と言う入道の誘いで、梅が枝&桂木を連れ出し、他の座敷で騒ぐことに…。

俊岳、所司代の手勢を借りに板倉の元へ。なぜか、才蔵を殺さぬように言い、隠岐殿も生け捕れと指示する板倉。(ここでこう言わせておかないと、あとの場面で獅子が才蔵を殺さないのが変になるからかしらん??)

分銅屋を襲撃し、信乃や菊千代を人質にして才蔵を縛り上げる獅子王院。
その足で相州屋に乱入、佐助らの不在もあり、やすやすと隠岐殿を捕らえてしまいます。
憧れの隠岐殿を連れて行こうとするのを見咎め、無謀にも獅子に立ち向かうかぶき者4人組…。無論かなうはずもなく、たちまち斬り倒されてしまいます。
隠岐殿が連れ去られたあと、ようやく駆けつけ惨状を目にする才蔵…。
4人が、影法師に憧れたりしなければ…と思ったのか、影法師の折に被っていた能面を投げ捨てます。

影法師の歌は、慶長の世に流れた地獄節だったのでござりましょうか…。


『風神の門』とは、『建仁寺・勅使門』??(補足)

隠岐殿が囚われていた、藤堂家宿陣が置かれていた建仁寺。
ドラマでは、陣屋に使われているらしい建物や井戸、隠岐殿が入れられていた牢(寺に牢?と思われましょうが、原作では浴殿を改造した牢…とあります)の辺りしか描かれませんが、原作では、『矢ノ根門』とも呼ばれる建仁寺・勅使門の上に立ち、伊賀者を指揮する才蔵…という描写があります。(原作の才蔵さまはクール&シリアス路線なので、ひたすらカッコイイ図を想像です)

原作では、勅使門が『矢ノ根門』と呼ばれる所以として、「平家の六波羅府の門を移したと伝えられ、いつの時代の合戦のものか、門の扉に矢傷が無数にあるところから俗に矢ノ根門とよばれている」とあります。
物語が大坂の陣へ向けてなだれ込む直前の描写の中に、さりげなく『戦』の跡を残す門を配するなどは、さすが司馬作品!という感じでござりまする。

それから建仁寺には、あの有名な俵屋宗達 筆『風神雷神図』が伝わっております。
(実はこの絵、小学1、2年の頃でしたか、図工の教科書に載っているのを見て以来大好きで、国宝展などで関東に来るたびに見に行っておりまする)
『風神』の絵がある建仁寺を、重要な場面に配したのも狙いあってのことでござりましょう。

ドラマでは、「風神の門」のタイトルの意味合いを深める、心憎いナレーションがラストに入ります。
それだけでもう、この稀に見るカッコいいタイトルの説明には充分な気もするのでござりまするが、原作に秘められている、作者・執筆過程の思考を追ってみるのも楽しいです。
(と申しつつ、きちんとした再読はドラマ終了後にしようと思うておりまふ)

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